Nは「ヒューゴの不思議な発明」という日本語タイトルとPRの仕方が気に入らないらしい。もっとすごい冒険ファンタジーを期待してしまった。Tは、久しぶりにいい映画を見た、と感動している。
もし、自分がメディア芸術学科の教授なら、生徒には必ずこの映画を見せて感想文を書かせるだろう。
フランスの貴族達にとっては、オートマトン(自動人形)や手品や奇術のような、サプライズを与えるエンタテイメントの最先端として映画があったことを、この映画は改めて教えてくれる。時計もロボットも映写機も歯車で動く。映画フィルムに空いた穴(パーフォレーション)は、歯車の為にある。歯車を組み合わせれば何でも実現できる。そんな機械時代の夢が映画である。子供達が「スーパーエイト」で映画が撮れるようになる70年以上前の話。
しかし、そんな話より、二人はヒロインの女の子イザベルが気になって仕方がなかった。「どこかで見たよね。何に出てたんだろう?」調べてみて納得。彼女は映画「キックアス」のヒットガール役だった(=クロエ・モレッツ)。Nは急にヒューゴが気に入った。