息をもつかせぬ展開で、あっという間にエンディングを迎えるジェットコースター感覚。久しぶりに「映画を見たぁ」という実感。
ややトレッキーなTは、旧作「カーンの逆襲」との対比、優性人類はバルカン人とちょっとかぶる件、昔はミスター・カトーだったヒカル・スールー、などを熱弁するが、それよりも映画としての完成度が非常に高いことを語るべきだ。役者一人一人、登場人物一人一人の物語を丁寧に紡いだ繊細さもある。よくできた映画だ。
ベネディクト・カンバーバッチ演じる史上最高の悪役カーン。レナード・ニモイを受け継いだスポック役のザッカリー・クイントの存在感が薄れてしまうほどの迫力。